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Raspberry Piに「Quectel-L76-L86-L89」を接続し制御する
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- 将 有坂
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- ラズパイやArduinoで電子工作をしてます。
はじめに
Raspberry Piは豊富なGPIOピンを備え、様々なセンサーや通信モジュールとの統合が容易です。この記事では、GPS(Global Positioning System)モジュールである「Quectel L76/L86/L89」をRaspberry Piに接続し、位置情報を取得する方法について解説します。
1. Quectel L76/L86/L89の概要
Quectel L76/L86/L89は、GPSやGLONASSなどの多様な衛星測位システムに対応したモジュールです。位置情報を高精度で取得することができ、Raspberry Piを使ってIoTプロジェクトや位置情報ベースのアプリケーションを開発するのに適しています。
2. 接続
Quectel L76/L86/L89をRaspberry Piに接続するためには、シリアル通信(UART)を使用します。以下は、基本的な接続手順です。
- VCC(赤色): 3.3Vの電源
- GND(茶色): 接地
- TX(緑色): Raspberry PiのRXピンに接続
- RX(白色): Raspberry PiのTXピンに接続
3. ラズベリーパイへのドライバーのインストール
Raspberry PiにQuectel L76/L86/L89を接続したら、適切なドライバーやライブラリをインストールする必要があります。以下は、Quectel L76/L86/L89の公式サイトなどから入手できるドライバーを使用する手順の一例です。
# ドライバーのダウンロードと解凍
wget http://www.quectel.com/UploadImage/Downlad/L76_L86_L89_Lite_GPS_OpenCPU_GNSS_Driver_V1.1.zip
unzip L76_L86_L89_Lite_GPS_OpenCPU_GNSS_Driver_V1.1.zip
# ドライバーのインストール
cd L76_L86_L89_Lite_GPS_OpenCPU_GNSS_Driver_V1.1
sudo chmod +x install.sh
sudo ./install.sh
4. Pythonコードの作成
Raspberry PiでQuectel L76/L86/L89を制御するためのPythonコードを以下に示します。
import serial
# Raspberry Piのシリアルポートの設定
ser = serial.Serial("/dev/serial0", baudrate=9600, timeout=1)
def read_gps_data():
while True:
data = ser.readline().decode("utf-8")
if "GNGGA" in data:
print("GPSデータ:", data)
try:
read_gps_data()
except KeyboardInterrupt:
ser.close()
print("プログラムを終了します")
このコードは、Quectel L76/L86/L89から送られてくるNMEAフォーマットのデータ(GPSデータ)をRaspberry Piで受信し、表示します。
5. コードの実行と動作確認
コードを実行する前に、Quectel L76/L86/L89が屋外でGPS信号を受信できるようにしてください。その後、Pythonコードを実行し、GPSデータが正常に表示されることを確認します。
これで、Raspberry PiにQuectel L76/L86/L89を接続し、位置情報を取得する基本的な手順が完了しました。位置情報を活用して、さまざまなプロジェクトやアプリケーションを開発することが可能です。