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英検とTOEICはどちらを取った方がいい? #CEFR #難易度
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- 荘 有坂
- short bio
- 言語学の研究者、3ヶ国語話者、英語講師。
英語力を証明する試験として、日本で人気のある英検(実用英語技能検定)とTOEIC(Test of English for International Communication)は、それぞれ異なる特徴と利点を持っています。この記事では、これらの試験の違いと、どちらを選ぶべきかについて詳しく解説します。
英検とTOEICの違い
試験の目的
英検: 英検は、主に日本国内で英語力を証明するための試験で、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能を総合的に評価します。教育機関や企業での利用が一般的です。
TOEIC: TOEICは、国際ビジネスの場で英語力を証明するための試験で、特にリスニングとリーディングに重点を置いています。最近では、スピーキングとライティングのテストも提供されていますが、リスニングとリーディングが中心です。グローバル企業での採用や昇進に利用されることが多いです。
試験の形式
英検: 英検は、1級から5級までのレベル別に分かれており、各級ごとに合格ラインが設定されています。試験は一次試験(筆記試験とリスニング)と二次試験(面接)に分かれています。
TOEIC: TOEICはスコア形式で、0点から990点までのスコアで評価されます。特定の合格ラインはなく、スコアによって英語力を測定します。試験はリスニングとリーディングが中心ですが、スピーキングとライティングの試験も別途提供されています。
CEFRとの対応
CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)は、英語力をA1からC2までの6段階に分類する国際的な基準です。英検とTOEICは、それぞれのスコアや級がCEFRのレベルに対応しています。
英検:
- 1級: C1
- 準1級: B2
- 2級: B1
- 準2級: A2
- 3級: A1
TOEIC:
- 945点以上: C1
- 785点〜944点: B2
- 550点〜784点: B1
- 225点〜549点: A2
- 120点〜224点: A1
難易度の違い
英検とTOEICの難易度を比較することは簡単ではありませんが、試験の形式や出題内容からそれぞれの特徴を把握することが重要です。
英検: 英検は、特に高い級(1級、準1級)では幅広い語彙や高度な読解力が要求されます。二次試験の面接も含まれるため、スピーキング力も重要です。
TOEIC: TOEICはビジネス英語に重点を置いており、リスニングとリーディングのスピードが求められます。スピーキングとライティングの試験はオプションであり、リスニングとリーディングのスコアが重視される傾向にあります。
どちらを選ぶべきか?
目的に応じて選ぶ
国内での評価を重視する場合: 教育機関や国内企業での評価を重視する場合は、英検が適しています。特に、英検の1級や準1級は高く評価されることが多いです。
国際的なビジネス環境での評価を重視する場合: グローバル企業での採用や昇進を目指す場合は、TOEICが適しています。高いTOEICスコアは、ビジネス英語力を証明するために有利です。
学習スタイルに応じて選ぶ
総合的な英語力を高めたい場合: 英検は4技能をバランス良く評価するため、総合的な英語力を高める学習が求められます。特にスピーキング力を強化したい場合に適しています。
リスニングとリーディングに集中したい場合: TOEICはリスニングとリーディングに重点を置いているため、これらの技能を強化したい場合に適しています。
まとめ
英検とTOEICは、それぞれ異なる特徴と利点を持つ試験です。自分の目的や学習スタイルに合わせて、どちらの試験を受けるかを選ぶことが重要です。英検は総合的な英語力を評価し、国内での評価が高い一方、TOEICはビジネス英語力を重視し、国際的な評価が高いです。自分の目標に最も合った試験を選び、効果的な学習を進めましょう。